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哲学 philosophy
アレテー・徳と内発性。

アレテー・徳と内発性

内発的動機づけ等で用いられる内発性。この内発性は「自然と内から湧いてくる」ような力やその方向・性質。内発性は徳の領域になるため、「徳の高さ」というのは「包括している対象の範囲の広さ」になる。
内発性とは、「自然と内から湧いてくる」ような力やその方向、性質のことです。アリストテレス的に言うとニコマコス倫理学におけるアレテー(ἀρετή )、つまり、徳です。内発性と自発性
アレテーとは、古代ギリシャ哲学において「卓越性」や「優れた性質」を意味する言葉であり、日本語では一般に「徳」と訳される。単なる道徳的な善悪の基準を超え、個々の存在が本来持つべき能力や特性を十分に発揮する状態を指す。たとえば、馬であれば速く走ること、刃物であれば鋭く切れることがアレテーであり、人間であれば「人間としての優れた在り方」が問われることとなる。
 
古代ギリシャの思想家たちは、このアレテーを「外から与えられるもの」ではなく、「内から湧き上がるもの」として捉えた。すなわち、アレテーは「内発性」に根ざすものである。内発性とは、行為や選択が外的な報酬や罰によるものではなく、自らの価値観や意志によって動機づけられることを指す。真に優れた生き方は、他者からの評価や強制によって形作られるのではなく、内なる声に従って磨かれるべきだという考え方である。
 
この視点は、ソクラテスやプラトン、アリストテレスといった哲学者たちによって深められた。ソクラテスは「善く生きる」ことの重要性を説き、それは魂の健やかさを追求することであり、自己との対話によって得られる知によって支えられると考えた。プラトンは「イデア」の世界を志向し、個人が自己の本質を認識し、理性によって導かれることこそがアレテーの実現であるとした。アリストテレスにおいては、アレテーは「中庸」によって達成されるものであり、習慣と実践を通じて人格が形成されると説かれた。
 
ここで重要なのは、アレテーは「外からの強制による規範遵守」ではなく、「内なる欲求や理性によって自然に生まれる行動」である点である。たとえば、勇気は無理やり奮い立たせるものではなく、恐怖を乗り越えようとする内なる意志の発露であり、正義もまた他者の目を気にして行うものではなく、自らの良心に従う行為によって生まれる。つまりアレテーは、本質的に内発性を必要とし、内発性によってのみ真の価値を持つ。
内発的とは、内部から自然に起こる、つまり外からの働きかけによらずに起こるものを意味し、その性質を持つものは内発性となる。
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